都立中学の受検倍率推移(2024-2015年)

都立中学の受検倍率推移(2024-2015年)

男女共通にして都立中の倍率を算出すると(過去10年分)

都立中の募集人員は令和6年度入試分までは男女別に行われていたため、受検倍率も男女別々に公表されていました。これが令和7年度入試からは男女別の募集が廃止されます。

 

そこで、過去10年分の受検倍率が男女共通だったらどうだったかを算出してみました。

男女合計の受検者数を合格者数で割った倍率

 

都立中各校の男女共通として計算した受検倍率(2015〜2024年)

白鴎 両国 富士 大泉 武蔵 小石川 桜修館 南多摩 立川国際 三鷹
2015 6.47 8.32 5.10 7.18 4.64 5.19 6.76 5.46 6.19 6.94
2016 6.41 8.09 4.74 6.99 4.70 5.81 6.29 5.48 5.39 6.49
2017 6.05 6.52 5.33 6.53 4.15 5.75 5.89 4.83 5.45 5.96
2018 6.82 6.13 4.93 6.80 4.23 5.95 5.49 5.19 4.74 5.77
2019 6.68 6.53 4.60 6.08 4.65 5.87 5.73 5.54 4.52 6.53
2020 6.36 6.76 5.10 5.68 4.10 5.10 5.73 5.33 4.83 5.69
2021 5.49 6.70 3.11 5.70 3.04 4.64 5.81 4.94 4.48 5.44
2022 4.98 4.57 3.68 4.28 2.94 4.15 4.81 4.14 4.88 5.71
2023 4.18 4.65 3.46 4.38 2.83 4.28 5.06 4.04 3.65 5.54
2024 3.97 4.19 3.42 4.09 2.55 3.92 4.23 3.69 3.98 4.58

この10年間で見ると各校とも倍率は低下していて、最も下がったのは両国中の8.32(2015)→4.19(2024) 。最も下がっていない学校でも小石川中の5.19(同)→3.92 (同)となっています。

 

男女別枠で損をしていたのは白鴎中、桜修館中を受検した女子

男女共通で算出した倍率と男女別々での倍率(これまでの本来の倍率)でギャップが大きいのは白鴎中桜修館中です。

 

白鴎中は2015〜2024年まで女子のほうが男女共通算出倍率よりも0.78〜1.65高くなっています(例えば2016年は男女共通6.41倍に対し、女子枠は 8.06倍で1.65高い)。桜修館中も同期間で0.60〜1.21高い。

 

男女で枠が別でなければ受かっていたという女子がいたことになります。
令和7年度入試からはこうした不公平がなくなるのはイイことですね。

都立中学の一般枠受検倍率は低下傾向

都立中学の受検倍率低下傾向にあり、2024年は男子枠は2.45〜4.39倍、女子枠は2.59〜5.05倍となりました。2015年には男女とも8倍を超えていた学校もありましたので、かなり低下したことがわかります。

 

都立中学では令和7年度入試(2025年4月入学)から男女別定員が廃止されます。

これまでは女子のほうが倍率が高い傾向にあったため、今度の入試(令和7年度入試)からは男女枠が廃止されたことで。女子のほうがいままでよりも合格しやすくなります。

 

男女別の2015年から2024年までの倍率推移は下記のようになっています。

 

都立中の受検倍率推移(男子枠学校別)


全体的に低下傾向にあります。

 

白鴎 両国 富士 大泉 武蔵 小石川 桜修館 南多摩 立川国際 三鷹
2015 5.49 8.35 4.62 6.23 5.30 6.01 5.78 4.83 5.08 7.00
2016 4.84 8.07 4.73 6.13 5.10 6.31 5.69 4.84 4.29 6.40
2017 4.85 6.12 4.98 5.90 4.35 6.03 5.08 4.38 4.85 5.98
2018 5.97 5.82 4.45 6.88 4.62 6.48 4.39 5.05 4.25 5.61
2019 5.76 6.50 4.18 6.02 4.78 5.76 4.51 5.04 3.86 5.79
2020 5.40 6.30 5.03 4.92 3.83 5.04 4.69 4.93 3.68 5.53
2021 4.47 6.47 2.85 5.42 3.44 4.71 4.90 4.60 4.09 5.38
2022 4.00 4.63 3.21 4.04 2.99 4.06 3.98 4.01 4.35 5.49
2023 3.40 4.66 3.21 3.90 2.98 4.06 4.25 3.79 3.14 4.84
2024 3.06 4.39 3.29 3.53 2.45 3.61 3.49 3.46 3.15 3.99

 

都立中の受検倍率推移(女子枠学校別)


女子枠も全体的に低下傾向にあります。

 

白鴎 両国 富士 大泉 武蔵 小石川 桜修館 南多摩 立川国際 三鷹
2015 7.51 8.28 5.58 8.13 3.98 4.39 7.74 6.10 7.31 6.88
2016 8.06 8.12 4.75 7.85 4.30 5.30 6.89 6.11 6.49 6.59
2017 7.34 6.92 5.68 7.15 3.95 5.48 6.71 5.28 6.05 5.94
2018 7.65 6.45 5.40 6.72 3.85 5.43 6.59 5.34 5.23 5.93
2019 7.57 6.55 5.02 6.15 4.52 5.99 6.94 6.05 5.17 7.26
2020 7.33 7.22 5.17 6.45 4.37 5.17 6.76 5.73 5.98 5.85
2021 6.52 6.93 3.38 5.98 2.64 4.58 6.73 5.28 4.86 5.51
2022 5.98 4.51 4.15 4.53 2.90 4.24 5.65 4.28 5.42 5.94
2023 4.96 4.64 3.71 4.85 2.69 4.50 5.86 4.30 4.17 6.25
2024 4.80 3.89 3.46 4.55 2.59 4.19 4.86 3.88 4.74 5.05

 

都立中学の男子枠と女子枠の倍率差推移

数値は男子の倍率から女子の倍率を引いた値。マイナスであれば女子のほうが高かったことを意味する。

白鴎 両国 富士 大泉 武蔵 小石川 桜修館 南多摩 立川国際 三鷹
2015 -2.02 0.07 -0.96 -1.90 1.32 1.62 -1.96 -1.27 -2.23 0.12
2016 -3.22 -0.05 -0.02 -1.72 0.80 1.01 -1.20 -1.27 -2.20 -0.19
2017 -2.49 -0.80 -0.70 -1.25 0.40 0.55 -1.63 -0.90 -1.20 0.04
2018 -1.68 -0.63 -0.95 0.16 0.77 1.05 -2.20 -0.29 -0.98 -0.32
2019 -1.81 -0.05 -0.84 -0.13 0.26 -0.23 -2.43 -1.01 -1.31 -1.47
2020 -1.93 -0.92 -0.14 -1.53 -0.54 -0.13 -2.07 -0.80 -2.30 -0.32
2021 -2.05 -0.46 -0.53 -0.56 0.80 0.13 -1.83 -0.68 -0.77 -0.13
2022 -1.98 0.12 -0.94 -0.49 0.09 -0.18 -1.67 -0.27 -1.07 -0.45
2023 -1.56 0.02 -0.50 -0.95 0.29 -0.44 -1.61 -0.51 -1.03 -1.41
2024 -1.74 0.50 -0.17 -1.02 -0.14 -0.58 -1.37 -0.42 -1.59 -1.06

 

過去10年で男女どちらのほうが倍率が高かったか?
学校 男子枠のほうが高かった回数 女子枠のほうが高かった回数
白鴎 0 10
両国 4 6
富士 0 10
大泉 1 9
武蔵 8 2
小石川 5 5
桜修館 0 10
南多摩 0 10
立川国際 0 10
三鷹 2 8

白鴎中、富士中、桜修館中、南多摩中、立川国際中は過去10年で毎年女子枠のほうが倍率が高くなっていました。

2024年の都立中学受検倍率(一般枠)

2024年2月3日に行われた都立中一般枠の受検倍率は次の通りでした。

 

最新の都立中学受検倍率(男子一般枠2024年)

男子枠では富士中立川国際中が前年よりも倍率が上昇しました。

2024年倍率 2023年倍率 前年比
白鴎中 3.06 3.40
両国中 4.39 4.66
富士中 3.29 3.21
大泉中 3.53 3.90
武蔵中 2.45 2.98
小石川中 3.61 4.06
桜修館中 3.49 4.25
南多摩中 3.46 3.79
立川国際中 3.15 3.14
三鷹中 3.99 4.84

最新の都立中学受検倍率(女子一般枠2024年)

女子枠では立川国際中だけ前年よりも倍率が上昇しました。

2024年倍率 2023年倍率 前年比
白鴎中 4.80 4.96
両国中 3.89 4.64
富士中 3.46 3.71
大泉中 4.55 4.85
武蔵中 2.59 2.69
小石川中 4.19 4.50
桜修館中 4.86 5.86
南多摩中 3.88 4.30
立川国際中 4.74 4.17
三鷹中 5.05 6.25

都立中御三家を倍率で比較

都立中の中で東京大学の合格者が多い小石川中(文京区)、両国中(墨田区)、武蔵中(武蔵野市)が都立中御三家と言われています。この御三家の倍率(2024年)は次の通りでした。

 

小石川中 両国中 武蔵中
男子枠(2024) 3.61 4.39 2.45
女子枠(2024) 4.19 3.89 2.59

都立御三家に含まれる武蔵中(武蔵野市)ですが、倍率面では御三家のなかだけでなく都立中10校の中で比較しても低くなっています。

 

都立中御三家についてはコチラで解説