同じ中学受験でも私立中と都立中では、合格する子の特徴がちがいます。
もちろん、どちらも受かる子は一定数いるのですが、難関と言われる私立中に受かったのに、都立中に落ちてしまったという子も少なくありません。また、反対に私立中は全然受からないのに、倍率が高かった都立中は受かったという子もいます。
その理由は試験問題のちがいによるものです。
そもそも、私立中は試験を受けるので受験といいますが、都立中の場合は行われるのは試験ではなく適性検査です。このため、都立中は受験ではなく受検です。
適性検査といっても、性格診断のような相性診断ではなく、ちゃんと正解があるいわゆるテスト問題なのですが、正解を導くために必要とされる能力が私立中の試験問題とは異なります。そのため、私立中はダメだったけど、都立中には受かったという子が出るわけです。
では、都立中に受かる子の特徴にはどのようなことが考えられるのでしょうか?
中学受験塾を経営している知人から教えてもらったことを紹介します。
最初の2つは適性検査1で高得点を取れる子の特徴で、最後の「細かいことにこだわらない」は適性検査2,3で高得点を取れる子の特徴です。
都立中の適性検査1は国語の読解問題となっています。
その中で大きな配点を占めるのが400字程度の記述問題。
そこで求められているのは「正しい主張」ではなく「論理的な主張」です。
これが小学生にとってはむずかしいんですね。
正確にいうと、自然にできる子と勉強しても出来ない子の差が大きい部分です。
「勉強ができる」子は、自分の主張・考えが正しいと思いがちなので、その主張・考えがいかに正しいかをやたらと書いてしまいます。これではダメなんですね。求められてるのは「論理的な主張」です。
「自己主張が強くない」「コミュニケーション能力がある」子は、このこの「論理的な主張」というのを身につけるのが得意なのです。
「自己主張が強くない」ので、自分とはちがった意見にも耳を傾けることができ、「コミュニケーション能力がある」ので、そうした意見を取り入れて、バランスよく表現できるのです。
もちろん、いきなりできるわけではないのですが、塾でちょっと学ぶだけで、どんどん出来るようになるのだそうです。こうした子は、教えていて楽しいとも言っていました。
一方、適性検査2と適性検査3は総合問題と言われるものです。
これは、資料を読み解いて問題に答える形式で、問題文・ページ数が多いのが特徴です。
ここで必要とされるのは要領の良さ、スピードです。
完璧を求めるような人は問題量に圧倒されて時間が足りなくなってしまいます。
「細かいことにこだわらない」子のほうが有利です。こちらも、もちろん「細かいことにこだわらない」からといって、いきなり問題が解けるようになるわけではないのですが、要点・ポイントを抑えるコツをつかむのが上手いそうです。
細かいことが気になってしまう子は、要点・ポイントのつかみ方をいくら教えても、なかなか実践できないとのこと。塾で教えていても、性格的な部分は直せないそうです。
反対に、「細かいことにこだわらない」子は、問題を解くごとに、上手くなっていくとのことです。
最後に、都立中に受かる子の特徴として「素直であることも大事」と中学受験塾を経営している知人は言っていました。ただ、これは都立中に限らず、私立中でも同じだと。
素直に塾で言われたことをやれる子は伸びるそうです。中学受験に合格するレベルであれば、勉強法にオリジナリティなど必要ない。王道の勉強法を素直にやっておけば大丈夫だからだそうです。